AIは定性調査をどのように変えるのか?

今回は前回お知らせしたとおりAI(Artificial Intelligence:人口知能)が、どのような形でリサーチ業界、特に定性調査に影響を与えるのかについて書かせていただきます。

AIと定性調査

AIは今後様々な形でリサーチ業界に影響を与えそうです。ただ、それはどちらかというと定量調査の分野に関わってくると考える人が多いのではないでしょうか。実際、巷に出回っている様々な論文や記事は定量調査寄りの内容のものがほとんどです。そのような中で、オーストラリアの定性リサーチャーSue Bell氏が、昨年8月に

「A qual perspective on AI, automation and agile market research - 定性調査から見たAI、オートメーション、アジャイルリサーチ」

というプレゼンテーションを公開してくれました。まずはその内容を紹介させていただきます。

A qual perspective on AI, automation and agile market research

- Sue Bell、Susan Bell Research

(プレゼンテーションはこちらから見られます)

以下はプレゼンの概要です・・・

私は、定性調査の実務家としてAIが今後の定性調査にどのような影響を与えるかを紹介したいと思います。定性調査は「言葉」に依る調査手法です。なので、特にAIと言葉に着目して話を勧めたいと思います。ただ、私はテクノロジーの専門家ではありません。定性リサーチャーです。なので、テクノロジーについてではなく、AIが定性調査に及ぼす影響、AIによって定性調査は良い影響を及ぼすのか、悪い影響を及ぼすのかについて話をしたいと思います。

最初に最も簡単なAIの応用分野である言葉のテキスト化について話します。続いて会話内容の分析について、話します。

まずは会話をテキスト化するAI技術(Voice Controlled Computing:音声認識)についてです。この技術は近年急速に発達しています。グーグルの最近の調査によると、現在、グーグルでの検索の20%は音声認識によってなされているそうです。そして彼らは、今後音声での検索がもっと増えるだろうと予測しています。私も数年後に、誰かがスマホの小さな画面に指でテキストを打ち込んで検索している姿を見たら、「なんて時代遅れのことをしているの!」って思うのではないかと考えています。

ではこの技術の定性調査への応用を考えてみましょう。まず、オンライン定性調査(掲示板やチャット形式グループインタビューやデプスインタビュー、MROC)に関しては、もっと内容(テキスト)が増えることが予想されます。人間は書くよりも話すことの方が簡単で時間がかかりません。現在対象者が一生懸命、PCのキーボードやスマホの画面で打ち込んでいるものが、PCやスマホに話かけるようになると、その発言内容のテキスト分量はかなり増えるものと思われます。

次にFace to FaceでなされるIn-Personインタビュー(会場グループインタビュー、会場デプス、Webカメラインタビュー等)について考えると、発言録がすぐに完成するというメリットが考えられます。それはイコール、定性インタビュー調査がよりアジャイルな手法になる可能性があるということです。インタビューが終わった時点で発言録が完成しており、クライアントとリサーチャーはその場でその発言録を見ながら次のステップを考える・・・といったことが可能になるのです。

さて、音声認識技術によってインタビューのテキスト化が容易になるとどうなるのか?次に、そのインタビューテキストの分析を簡単にできないかというニーズが生まれてきます。そこで登場してくるのはテキストアナリティクスの技術です。

私の考えでは機械学習されたテキストアナリティクスは、会話の内容から様々な答えを導き出すと思います。ただし、これには条件があります。リサーチ会社(やリサーチビジネスに興味のある会社)が、定性調査専用のAI技術(テキストアナリティクス)を開発できたならという条件付きです。私は今多く使われているビッグデータを分析するテキストアナリティクス技術は定性調査には役に立たないであろうと考えています。

その理由を説明するにはまずはビッグデータの分析(含む定量調査のOA回答)の分析と、グループインタビュー、デプスインタビューの発言の分析の違いを理解する必要があります。ビッグデータの分析は物事の側面をマクロ的な大きな視点でとらえること(定性情報収集)です。それに対して、グループインタビュー/デプスインタビューの分析は、物事をミクロの視点で捉えるようなもの(定性調査)です。この二つは全く違うものです。

ビッグデータの分析における定性情報収集は、比較的構造化された、フォーマルで、書き言葉で、短い文章(ツイッター等)の分析が中心になります。一方で、グループインタビュー/デプスインタビューの分析(定性調査)で分析される言葉は、それとはまったく異なります。それは会話(口語調)であり、定型化されていない文章です。人は会話をする際、言葉を多々省略したり、話す順番が無茶苦茶だったり、複雑だったりと全く、構造化されていない文章を話します。

「私のクリスマスの役割はATMよ」

「サングラス?私は、そうね・・・正直に言うと、私の目に斜視が入りだしてからかけ始めたの。おっと、そう考えると、今、モノがはっきり見えないわね。今、サングラスをしたほうがよさそう。ちょっとまってね・・・よく考えるとサングラスは常にかけるようなものでもないわね・・・

このような文章を機械学習するのは非常に難しいようです。また機械学習には莫大なデータの量が必要になります。ビッグデータを学習させるのはこれが可能になりますが、グループインタビュー/デプスインタビューの個人のクセのある、かつ分量が限られた発言を学習して何か有益な情報得ることには限界があると言わざるをえません。

また、ビッグデータ分析に使われる機械学習(natural language processing:自然言語処理)は

1. 定性情報(SNSの文章等)の収集

  ↓

2. 定型化した文章構造に変換

  ↓

3. 定量的な分析が可能

というステップを踏みます。しかし、これらは私たち定性リサーチャーが求めているものではありません。

例えば、私は以前実施したクリスマスに関しての15名により掲示板形式グループインタビューを最先端のビッグデータ用テキストアナリティクスソフトで分析してみました。しかしながら、そこで得られたアウトプットは

1. 定量的な数字(言葉の出現数カウント)

2. Word Clouds(多く出てきた言葉をビジュアル化したもの)

でした。

定量的な数字(言葉の出現数カウント)は定性リサーチャーにとって数字は全く意味をなさないものです。またWord Cloudsの見た目はカッコいいですが、やはりこれも数字をビジュアル化したものなので定性リサーチャーにとって意味をなさないものです。例えば「クリスマス」というワードがWord Clouds上で大きく表示されても、あまりにあたりまえすぎて全く役に立ちません。と同時に、Word Cloudsのアウトプット結果がは実際の発言(書き込み)内容とは全く異なるものであったことにも注意が必要です。

ここで、なぜWord Cloudsが使えないかを考えてみます。例えばTimeという言葉は、この掲示板グルインで多々登場しましたが

The first time/At the same time/It’s that time of year/The peak of Xmas delivery times/Us time poor peeps/As honesy attempt for everyone to truly spend the time together

といった様々な文章/文節内で使われるtimeをまとめてtimeは頻出ワードだと言われても、何のことかよくわかりません。また、timeと同じ意味でmomentというワードもよくつかわれていましたが、このことは考慮されていません。このようなことからWord Cloudsを見ても、我々はピンとこない感想しか得られないのです。

では、我々定性リサーチャーが今後使えそうなAIツールはないのでしょうか。まだ完璧とはいえませんが私が可能性を感じているものはいくつかあります。

その一つはGoogleが開発しているParsey McParsefaceです。このParsey McParsefaceという変な名前のツールは文章の構文解析を行うアルゴリズムをベースに構築されており、文章における各ワードの機能的役割を説明してくれることが出来ます。Googleはこの技術をオープンソースとして公開しているので、今後定性調査にも活用できるようになるのではないかと期待しています。

注:Parsey McParsefaceに関しては、日本語の情報はほとんどないのですが、僅かながら以下に説明がありました。ご興味のある方はご参考ください。

http://www.nowhere.co.jp/blog/archives/20160524-121743.html

https://opensource.srad.jp/story/16/05/15/0653233/

二つ目のツールはLeximancerです。Leximancerは文章から自動的に文脈までを抽出してくれる分析ツールです。例えばこのソフトウエアを使うと、timeというワードはin daysやhoursというワードと同じ概念を持つワードであるということを考慮して分析してくれます。

注:以下はLeximancerのWebサイトです。

https://info.leximancer.com/

なお、このサイトのトップ画面には以下のように記されています。

「テキスト・・・莫大なテキスト。カスタマーサーベイ、インタビューの発言録、分厚い報告書、Webページ、フィードバックフォーム、ツイート等々、そこで何が語られているのか?テキストは単なる単語の集合体ではありません。テキストはストーリーを語ります。言葉の関係によってアイデアやコンセプトが語られています。なのでテキストで語られているコンセプトを素早く効率的に探し出すことが重要なのです。Leximancerは自動的にあなたのテキストを分析しその中で語られているコンセプトを見つけ出します。そして、あなたが必要なキーアイデアやアクショナブルなインサイトをパワフルなビジュアライゼーションツールとデータエキスポート機能であなたに提供します。」

しかしながらLeximancerのアウトプットは定量化された数字です。そこで、今後LeximancerのようなAIを定性調査に利用するためには、我々は分析に対するアプローチを従来から変えなければなりません。

LeximancerのようなAIを使う場合はまずAIによってBig Pictureをつかみます。例えば最初のステップとしてグル-プインタビューやデプスインタビューの発言録をLeximancerで分析にかけ発言されたことの全体像を理解するようにします。そして次のステップとして全体像を意識しながら、発言録を細かく読み込み、インサイトを見つけるといった流れが必要になります。これはこれまで定性調査の分析と全く逆です。これまでの定性調査の分析は、まず発言録内の細かな発言からスタートし、それを積み重ねることによって全体を理解しようとしていたかと思いますが、AIを使うと、その方向性が全く逆になるのです。

定性調査のAI活用は、人間が読んだり聞いたりすることをAIによって代替することではありません。定性調査において最もAIの利用価値があることは、AIが分析者に、瞬時に、そのグループインタビューやデプスインタビューで行われた会話に関しての公平な全体像が見渡せるようにしてくれて、どこを深堀していけばよいのか、どのような発言に注目していけばよいのかというガイダンスを与えてくれるということだと思います。

最後にAIが進化することによって、我々定性リサーチャーは職を失うのかということについて考えてみたいと思います。私の考えではオンラインモデレーター(MROCや掲示板グループインタビュー等を担当するモデレーター)は少なからず職を失うリスクを抱えていると思います。実際、現在のオンラインモデレーションの一部は自動化されています。また、多くのオンライン定性調査のモデレーションは単なるデータ収集に成り下がっています。ただし、オンラインのモデレーターが参加者のエンゲージメントを高めることが出来る場合には、そこに価値が生まれ、そのようなモデレーターは職を失うことはないでしょう。一方でFace To Faceのグルイン・デプスのモデレーター/インタビュアーはその役割が明確なので職がなくなることはないと思います。しかし、AIがモデレーター/インタビュアーをサポートしてくれる可能性はあるのではないかと考えます。

例えば、Face To Faceのグループインタビューで、参加者にウエアラブルなAIツールを身に着けてもらいます。モデレーターの質問に対して、参加者が言葉以外の反応(呼吸の変化や発汗量等)が、都度分析されて、その結果がモデレーターに提供されたとしたら、モデレーターはそのデータを活用しながらより有益なディスカッションが展開できるのではないでしょうか。

また、AIがグルイン中に各対象者の特性に合わせてカスタマイズされたコンセプトを作成するといったことも有効だと思います。更にはモデレーターがAIによってグルイン中に世界中の広告や新製品にアクセスできて、それを対象者に呈示できるようになったり、瞬時に消費者行動理論にアクセスできたりするようになるとセッションはより充実してクライアントにとってより有意義なものになるのではないでしょうか。

またSmileCatcherの利用も有効だと思います。

注:SmileCatcherはMIT labが開発した、他人とのかかわりにおけるゲーミフィケーションによってスマイルを促進しストレスを減らし幸福度を増すためのツールだそうです。

以上で私のプレゼンテーションは終わりにします。

アバターがリサーチを行う・・・DigViduals

今回、AIと定性調査のテーマを書くにあたっていろいろと探索をしていた時にBrainJuicer社が実施している(していた?)DigVidualsというサービスを見つけ興味を持ちました。続いては、このDigVidualsについて紹介させていただきます。

注1:このメルマガでも何度か紹介させていただいているBrainJuicer社は、今世界で最もユニークなリサーチ会社と言われています。ただ、最近ブランディングを変えて、System1Groupのリサーチ部門、System1Reserachという名前になったようです。

また、以下に紹介するDigVidualsは、2011年ころに登場したサービスのようですが、今は紹介サイト等が無くなっているようなので、サービスとしては展開していないかもしれません。想像ですが、最先端過ぎて、また技術的に難しすぎてビジネスにはならなかったのかもしれません。それでも、私は、このサービスのコンセプトは非常にイノベーティブかつユニークなので、今後、技術が追い付いできたら近い将来復活したり、他社が同様なサービスを展開したりするのではないかと思います。

注2:という事情なのでDigVidualsに関しての断片的な情報しか見つからなかったので、以下の文章は多少、誤解や間違いがあるかもしれません。ご了承ください。

(DigVidualsを紹介したプレゼンテーションはこちら

DigVidualsを一言で言うとAIロボット(アバター)がリサーチャーの代わりにリサーチをしてくれるサービスです。

DigVidualsの説明にはこのような記述がありました。

「リサーチャーは日々生まれるソーシャルメディアの莫大なコンテンツのすべてを見たり解析したりすることはできない。特定のターゲットセグメントを対象にしたブランドや製品に関するWEB上の情報を集めることも困難である。また、WEB上の情報にはたくさんのゴミが混ざっている。そこから有益な情報を選び出すことも骨が折れる作業である。」

これだけ読むとと、今、盛んに行われているソーシャルメディア分析とあまり変わりはないように思いますが、DigVidualsのユニークなところは、特定のペルソナを持った様々なロボット(アバター)を作り、そのアバターがTwitter等のソーシャルメディアから情報を収集してくることです。各アバターは、パーソナリティが違うと共に、デモグラフィックも違います。ライフスタイルや興味関心、価値観等も違います。なので、各アバターがWeb上から集めてくる情報も異なるのです。例えばある新製品Xに関してソーシャルメディア上にどのような情報があるのかを知りたいと思いデータ収集する場合、各アバターによって集めてくる情報が異なるのです。そして各アバターが集めてきた情報はテキストアナリティクスや画像解析、動画解析によってより分析され、そのアバターは更に洗練されていきます。

また話はこれだけでは終わらず、収集したデータに基づいて、その新製品Xのインサイトを各アバターごとに見つけ出してくれます。同時に新しい製品コンセプトまでも提案してくれるサービスのようです。

注:コンセプトの提案まですべてAI上で自動的になされるのかどうかは、よくわかりませんでした。この部分はBrainJuier社のリサーチャーが関わっているのかもしれません。

このサービスの開発者は以下のように述べています。

「サーベイやフォーカスグループはこれまでに実績のあるリサーチ手法である。しかしフォーカスグループは非常に時間がかかり費用が高いうえに、ある特定のセグメントの理解しか得ることができない。サーベイはリサーチャーが想定した質問に対する答えしか得られないし、回答者の記憶も当てにならないことが多々ある。DigVidualsでアバターが集めて分析された情報は、我々のリサーチャーにとって偏りのない情報であり、消費者の未充足ニーズに対するインサイトを捉えることが出来る。それはクライアントの新製品開発をサポートするものであり、これまで当てずっぽうで実施していたコミュニケーションキャンペーンを間違いのないものにする。今、莫大な情報は問題ではない。むしろ莫大な情報こそが、効果を生むのだ。」

AIは定性リサーチャーの職を奪うのか?・・・
でも、そんなことはどうでもよいこのなのかもしれない

さて、ここまでお読みになって皆さまはどのような感想をお持ちでしょうか。なんだかんだ言っても、一番興味があるのは今後定性調査がどうなって、自分の仕事は今後どうなるのかということではないでしょうか。最初に紹介したSue Bell氏は「Face To Faceのグルイン・デプスのモデレーター/インタビュアーはその役割が明確なので職がなくなることはないと思います」と述べていますが皆さんもこの意見に同意されますか?

私も当初はそう考えていました。ただ、次に紹介したDigVidualの話を知って大きく考えが変わりました。DigVidualは現時点ではまだ現実的な使用に耐えない完成度なのかもしれませんが、今後、AI技術の進歩が更に進み完成度が上がると定性調査のみならず定量調査、更にはマーケティングという概念が無くなるのではないかと感じました。今、我々は定性調査を実施して、そのファインディングスから新商品のコンセプトを生み出すみたいなことを行っていますが、AIが人間の思考や感情を学習・理解して、AIがそれに基づいた新商品コンセプトを生み出すとすれば、リサーチャーは必要ないですし、マーケターも必要なくなってしまいます。このようなことは遠い先の夢物語なのでしょうか?いえ、そのような現実は目の前に迫ってきています。

コンピューターには人間の持つクリエイティビティはないので、人間に取って替わることは出来ないという主張をする人もいます。例えば新商品のアイデアやコンセプトは人間でなければ生み出せないと・・・。でも本当にそうなのでしょうか。

皆様、Amper Musicというサービスをご存知でしょうか?AIが自分の好みに合った作曲をしてくれるサービスです。例えば、90年代POP調でテーマがHappyと入力すると、AIが自分だけのオリジナル曲を作曲してくれるのです。私も遊びで使ってみたのですが、中々の優れものです。

(サービスサイトはこちら)

https://www.ampermusic.com/

(AIが私のために作曲した曲①:90年代POP調・・・もちろん音が出ますのでご注意ください)

http://itedi.main.jp/magazine/90sPOP_happy.mp3

(AIが私のために作曲した曲②:映画のサスペンス調・・・もちろん音が出ますのでご注意ください)

http://itedi.main.jp/magazine/Cinema_suspense.mp3

作曲活動は人間のクリエイティビティの為せる技だと考えられていましたが、このように、今のAIは作曲もしてくれます(完成度はまだ人間には及ばないかもしれませんが)。小説を書いたりもしてくれます。このような状況を見ているとコンピューターが人間を超えるクリエイティビティを獲得する時代が近づいているような気がします。

そもそもイノベーションは既存の技術の組み合わせなので、イノベーションを起こすためにクリエイティビティが必要なのかという議論もあります(必ずしも0→1である必要はない)。そうなると、AIが過去のヒット商品を学習して、新商品のコンセプトを生み出したり、過去に評判になったCMを学習して、新しいCMのクリエイティブを生み出したりするといったことが可能になるのではないでしょうか。そうなると、リサーチャーもマーケターも存在価値はありません。我々は失業してしまうのです。

注:すでにこのような試みは始まっているようです。

https://persol-tech-s.co.jp/i-engineer/technology/mccann

話をここで終わりにしようかと思ったのですが、やはりAIを考えるにあたっては最近よく耳にする「シンギュラリティ(技術的特異点)」について避けて通れないと思うので最後に簡単に触れさせていただきます。

私も詳しく理解しているわけではありませんが、この概念を唱えているレイ・カーツワイルは2045年に

「人類の知性が機械の知性と完全に融合し、人類がポスト・ヒューマンに進化する」

と予測しています(最近、レイ・カーツワイルは技術革新の予測が早まって技術的特異点の到来が2029年に早まるとの見方を示したそうです・・・12年後で結構すぐですね)。

では、「このポスト・ヒューマンって何ぞや?」という話ですが、簡単に言えば人間が今の人間ではなくなるような感じです。

(こちらの記事がわかりやすいです。例えば人間は死ななくなるそうです)

※記事は現在削除されています

なので、AIが今後発達するということ考えることにおいては、定性調査が無くなったり、マーケティングの仕事がなくなったりという、そんな「些細な」話はどうでもよいことのような気がします。そもそも仕事という概念がなくなる/人間は仕事をしなくても生きていけるようになるかもしれないのです。

しかし、それも大したことではないのかもしれません。AIが発達して技術的特異点に達すると人間という存在そのものが変革するのです(これは人類の終末と考える人もいるようですが)。それはちょっと我々の想像を超えた世界で、その時自分がどうなるのかも全くわかりませんが、私たちは、あと何年後かにそのような時を体験する可能性があるようです。体験したいようなしたくないような、個人的には微妙なところですが・・・

今回はこれで終了にしたいと思います。最後は、「これは定性調査のメルマガか?」って内容になってしまい恐縮ですがご了承ください。最後までお読みいただきましてありがとうございました。